地震大国の日本で暮らす私たちにとって、地震に強い家づくりは、きわめて重要な課題です。
1995年1月17日に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)では、
6,400人を超える方が犠牲となり、約21万棟の家屋が全半壊しました。
亡くなられた人の8割弱が建物の倒壊による圧迫死であり、その9割が古い
木造住宅であったと報告されています。
建設省(現国土交通省)の建築震災調査委員会の報告によれば、建築物の被害の傾向をみると、
現行の新耐震設計基準(1981年施行)以前に建てられた建築物に被害が多く見られました。
しかしながら、下の図を見ていただくとわかるように、本当に安全な基準で建てられている家は、
2000年6月以降に確認申請が提出されて建てられた建物からといえます。
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※2000年6月以前の建物では、@耐力壁のバランスが考慮されていない A金物使用の規定がないため、かならずしもすべての木造住宅が安全とはいえません。阪神・淡路大震災では、1981年以降に建てられた建物でも、バランスの悪い建物は倒壊したり、大きなダメージを受けました。 |

阪神・淡路大震災の教訓を経て、地震被害例や耐震診断、耐震改修に係る調査・研究・試験結果が蓄積され、
また2000年には「建築基準法改正」や「住宅の品質確保の促進等に関する法律」が施行されて、
木造住宅に関する基準が整備されました。
こうした技術情報の蓄積や制度の整備を踏まえ、(財)日本防災協会が国土交通省の監修のもと、
「木造住宅の耐震診断と補強方法」をまとめました。
このなかでは、一般の住宅の所有者向けにみずから診断できる
「誰でもできるわが家の耐震診断」、
補強の要否を判断する
「一般診断法」、補強の要否の最終判断および補強後の耐震判定を主目的とした
「精密診断法」の3つの方法が示されています。
さらに兵庫県では、「簡易耐震診断事業」というものがあり、1981年5月以前の旧耐震基準で建てられた建物を
対象に、わずかな費用(姫路市の場合、木造住宅で3000円)で、専門家の診断を受けることができます。
上の図では右にいくほど、精密な診断が可能となります。耐震補強をするためには、最後の
「精密診断法」が
必要です。
1981年5月以前に建てられた方は、まず「簡易耐震診断推進事業」を利用して、簡易耐震診断を受け、耐震補強が
必要と判断されれば、さらに「精密診断」を受けて、補強計画に基づいて建物を補強することをお勧めします。

コーラルハウジングでは、「精密診断法」のひとつ「保有耐力診断法」による耐震診断を行っています。
「一般診断法」も行っていますが、より正確で、補強計画も作成できる「精密診断法」をお勧めします。
費用は、「精密診断法」で120,000円〜200,000円ほどです。
また、コーラルハウジングには、兵庫県の簡易耐震診断員もいます。簡易耐震診断については、お住まいの
市町村の担当窓口(姫路市の場合は、建築指導課)を通じて、お申し込みいただくことになります。
(1)ご相談
「地震に備えたい」「自分の住んでいる家が安全かどうか確めたい」「リフォームとあわせて耐震補強を
行いたい」「リフォームで構造体をさわる予定だけど、大丈夫だろうか?」などという方は、
まずはご相談ください。
木造構造に詳しい建築士がご相談に応じます。図面をご持参いただけると、より具体的なアドバイスができます。
(無料)
(2)耐震診断の申し込み
耐震診断の内容および診断費用などをご理解いただいたうえで、耐震診断に申し込み、日程などの打合せを
行います。
(3)現場調査
建築士が屋根裏から床下まで、筋交いの位置、金物の有無、木の劣化状況、基礎などをチェックシートに
基づき、調べていきます。建物の規模にもよりますが、約2時間ほどの作業になります。
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鉄筋センサーによる基礎の
鉄筋チェック |
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クラックスケールによる
クラックのチェック |
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小屋裏のチェック |
(4)耐震診断(精密診断)の実施と補強計画の作成
現地調査の結果をもとに、耐震診断ソフトを使い、精密診断を行っていきます。
あわせて補強計画の作成もします。
(5)耐震診断結果と補強計画の説明
結果報告書をお渡しし、診断結果および補強計画について、ご説明いたします。
耐震補強の概算費用もお伝えします。
(6)耐震補強工事のご相談
耐震補強の方法は、ひとつだけではありません。たとえば、屋根のリフォームで屋根を軽くできるとすれば、
耐力壁の設置箇所が少なくなるなど、耐震性能を高める方法(組み合わせ)はいくつかあります。
お客様のご希望をおうかがいしながら、効率的な耐震補強計画を立てていきます。(無料)
(7)耐震補強工事の請負契約(当社にて工事される場合)
補強計画に基づいて、図面および詳細見積書を作成します。ご契約後に再度現場調査を行い、工事手順、
工事日程などを打ち合わせします。
(8)耐震補強工事の実施
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補強工事完了後、再度、精密診断を行い、
耐震基準を満たしていることを確認します。 |
ダイケン工業の「かべ大将」工法での補強例 |

兵庫県では、「簡易耐震診断事業」を実施しています。
これを受けて、たとえば姫路市では、平成18年4月より、1981年(昭和56年)以前に建てられた住宅を
対象に、簡易耐震診断を通常の10分の1の費用(3,000円)で受けられるようになりました。
また、「簡易耐震診断」の結果、「倒壊または大破壊の危険があります」や「やや危険です」と判定された
住宅に対しては、さらに精密な耐震診断を行い、耐震改修計画を策定する費用や計画に基づく改修工事に対しても
補助を行っています。
詳しくは、姫路市のHPをご覧ください。姫路市以外の方は、お住まいの市町村にお問い合わせください。
さらに、住宅・建築物に係る耐震改修促進税制もあり、既存住宅の耐震改修をした場合は、
所得税額の特別控除等、税制での優遇措置があります。詳しくは、
姫路市役所にお問い合わせください。